注文住宅と下水の処理
注文住宅をこれから建てようとするにあたって、その敷地のある土地が、市町村の公共下水道区域に含まれているかどうかは確認しておいたほうがよいでしょう。もしも公共下水道区域に含まれている場合は、一律にこの公共下水道への接続が義務付けられることになりますので、トイレからの汚水、風呂場や台所などからの生活雑排水をあわせて配管を行い、下水道の本管に放流することになります。当然ながら、接続の工事費用のほか、公共下水道の受益者負担金、さらに月々の使用料なども、注文住宅そのものの価格のほかに、別途必要になるわけですが、一度接続してしまえば排水について悩む必要もありませんので、結果としてはメリットが大きいといえるでしょう。いっぽう、同じ注文住宅であっても、地方に建てる場合には、その敷地のある土地が、まだ公共下水道区域に含まれておらず、未整備の状態であるということも多いものです。
こうした場合、注文住宅の建築にあわせて、敷地内に合併処理浄化槽を独自に設置して、その浄化槽で住宅内の汚水などを処理することになります。世帯の人数から割り出した浄化槽の大きさなどによっても変化しますが、合併処理浄化槽の本体価格とその工事を含めると、数十万円という価格になることは覚悟しなければなりません。また、いったん合併処理浄化槽を設置したとしても、今後、その地域に公共下水道が整備されれば、さらに公共下水道へのつなぎ変えの工事が必要となり、ここでも費用がよけいにかかることになります。